FXのサイトや、Twitterを見ていて、「pips」(読み方は「ピップス」)という単位がよく出てきます。「ピプ」や「ピピ」と言うこともあります。
「100pips儲かった!」とつぶやいている人がいましたが、どれくらいすごいのかよくわかりません。
5,000円で利確したときは何pipsで決済するように設定するの?
分からん!
今回は、「pips」について説明していきます。
長文になりますので、変換する式だけ知りたい場合は以下の目次から【式】に飛んでください。
日本円基準(クロス円)の場合
厄介なことに、日本円基準のとき(USD/JPYなど)と、ほかの通貨が基準(EUR/USDなど)のときでは考え方が異なります。
なお、円が基準になっているドル円、ユーロ円などのことをまとめて「クロス円」と言います。
まず初めにクロス円での損益換算方法を理解したうえで、ほかの通貨基準での換算方法を理解していきましょう。
日本円の読み方とpips
まず、初心者の方が最も多く取引をするであろう、ドル円での換算が出来るようになりましょう。
日本円の単位はもちろん「円」ですが、FXの取引では「銭」も使います。
123.45円は「123円45銭」と読みます。
0.01の位が1銭です。
これが分かっていれば、クロス円のpipsの考えは簡単です。
クロス円の場合、1pips=1銭=0.01円です。
では冒頭の「100pips儲かった!」がいくら儲かったのでしょうか。
1pips=1銭=0.01円ですから、100pips=1円となります。
なんか大したことないように見えますね。
Lot数の考え方
もちろん、たった1円の儲けを喜ぶはずがありません。
FXでは通貨をどれくらい取引しているかを表す「Lot数」も重要になってきます。
このLotが厄介です。
日本のFX会社でもバラバラ
実は、FX会社によって1Lotが表す通貨量が違います。
日本の多くのFX会社の場合最少で取引できる通貨量が1万通貨(ドルなら1万ドル)です。
そのため、1万通貨=1Lotとしています。また、「1枚」という呼び方をする場合もあります。
なお、以前ご紹介したインヴァスト証券の場合は単位がLotではなく「K」になっています。

「K」は「Kg(キログラム)」と同じで、10K円=10,000円を表します。
つまり、1万通貨=1Lot=1枚=10Kとなります。
しかし、日本のFX会社の中には外為ドットコムなど、1千通貨での取引が可能な会社があります。
少額から取引ができるので、「まずはFXがどういうものか試してみたい!」という方にはお勧めです。
さて、その外為ドットコムでは、1千通貨=1Lotとしています。
もう訳が分からん!
つまり、自分が使っているFX会社が何通貨を1Lotとしているかを確認する必要があるということです。
海外のFX会社は?
日本の中でも基準がバラバラですが、ここに海外が加わるとさらにややこしくなります。
なんと海外のFX会社では、1Lot=10万通貨としています。
MT4を使って自動取引をする場合は、この基準が適用されますので要注意です。
特に裁量取引で外為ドットコムを使い、MT4で自動取引をすると、同じ1Lotでも100倍の違いが出てきます。
自分が使っているFX会社が何を1Lotとしているかを確認する
この先、Lotを使って話を進めるとややこしくなるので、「通貨」単位で進めていきます。
ドル円取引の場合、1万ドルを「1万通貨」と呼びます。
はい、これでシンプルになりましたね。
取引通貨量とpipsから損益を計算する
さて、これでいよいよ損益が何円かを計算できます。
クロス円でpipsから出したい利益を算出するには
先ほどの「100pips儲かった!」という場合、儲けは1円でしたが、これは1通貨あたりの儲けが1円という意味です。
大抵は最低でも1万通貨は取引をしていますので実際の利益は、0.01円×100pips×1万通貨=1万円 となります。
もし、10万通貨で取引をしていた場合は10万円です。
円=pips×0.01×取引通貨量となります。
クロス円で出したい利益からpipsを算出するには
上記から逆算すれば出てきます。
pips×0.01×取引通貨量=円ですから、pips=円×100÷取引通貨量となります。
1万通貨で5,000円の利益を出したい場合は、5,000円×100÷10,000通貨=50pips となります。
【式】クロス円でのpips→円の変換方法
円=pips×0.01×取引通貨量
【式】クロス円での円→pipsの変換方法
pips=円×100÷取引通貨量
海外通貨基準のpipsと円の変換
さて、いよいよ海外通貨同士を取引した場合の計算に移ります。
取引量の多いユーロドル(EUR/USD)について考えてみましょう。
海外通貨同士での1pips
ややこしいことに、海外通貨同士の場合、通貨の0.0001(1万分の1)の位を1pipsと呼びます。
ユーロドル(EUR/USD)の場合、1pips=0.0001ドルとなります。
基準となる通貨を単位とします。
ユーロドルで「100pips儲かった!」場合、0.01ドル儲かったということになります。
先ほどのクロス円以上に大した利益ではないように感じます。
基準となる通貨の価格を調べる
もうお気づきだと思いますが、ここでドルを円に直してしまえば、あとはクロス円の計算方法と全く同じになります。
大まかな値で構いませんので、クロス円のチャートを見て、基準となる通貨の価格を調べましょう。
今回はドルを基準としていますので、1ドル=110円と仮定します。
すると、0.01ドル儲かったということは、1.1円儲かったということになります。
取引通貨量とpipsから損益を計算する
あとはクロス円の場合と完全に同じです。
クロス円以外でpipsから出したい利益を算出するには
先ほどの「100pips儲かった!」という場合、儲けは0.01ドル=1.1円でしたが、これは1通貨あたりの儲けが1.1円という意味です。
1万通貨取引をしたのであれば、1.1円×10,000=11,000円となります。
円=pips×0.0001×基準通貨レート×取引通貨量となります。
クロス円以外で出したい利益からpipsを算出するには
上記から逆算すれば出てきます。
pips×0.0001×基準通貨レート×取引通貨量=円ですから、pips=円×10000÷基準通貨レート÷取引通貨量となります。
1万通貨で5,000円の利益を出したい場合は、5,000円×10000÷110÷10,000通貨≒45.45pips となります。
【式】クロス円以外でのpips→円の変換方法
円=pips×0.0001×基準通貨レート×取引通貨量
【式】クロス円以外での円→pipsの変換方法
pips=円×10000÷基準通貨レート÷取引通貨量
